2006年 レコーディング日誌 1月号


 
1月15日(日曜日)

 今日から「梅トリビュート」のレコーディングの作業に取り掛かる。かちがらすの参加曲は2曲。
レコーディング場所はリーダーの家(鍼灸院)の治療室。
機材は、レコーディングミキサーがコルグのD-1600。マイクは、ギター用がシュワーの57、ボーカル用が同じくシュワーの58を使用。
モニターは、メンバー各自マイヘッドホンを持参。みんな同時に聴けるように、4系統のヘッドホンアンプをミキサーに接続し、そこから音を取る。

ところが・・・
 初っ端からマイクスタンドとマイクを繋ぐためのケーブルがないと大騒ぎ。
とりあえずスタンドは、評論家のサウンドミラーのスタンドと、ギターマイク用のアームで代用。ケーブルは沖津さんに電話してわざわざ届けてもらう。
そんなこんなで、レコーディングを開始したのは昼頃。もちろん、昼食抜き。
レコーディング機材の操作は全て用務員が一人で担当。
これはかちがらすのレコーディングのルールと言えるのだが、技術的にそれぞれ出来ることに限界があるので、基本的に、演奏や歌のOKサインは自己申告ということになっている。演奏している本人が納得いかなかったら、何度も取り直してかまわない。

 1曲目は『僕たちの船出』。
 Rec.0: 歌がないとギターが弾きにくいというので、先に用務員と幸松、二人でメトロノームのテンポに合わせて仮の歌と仮のギターを入れておく。同時録音。
これを聴きながら順に1パートずつ録音して行くことになる。
ギターのチューニングは、メンバーの中で一番音にうるさいリーダーに担当してもらう。
これで準備完了。

 Rec.1: ギター・ストロークパート(リーダー)。ギブソンJ-200使用。歌とギターを聴きながらのえんそうなので弾き安そう。数回でクリアー。
 Rec.2: ギター・フィンガーパート(幸松)。ギブソンJ-200使用。やはり本番となると緊張。そんなに難しいパートではないのに途中でしくじり、何度かやり直す。
 Rec.3: ギター・フィンガーパート(評論家)。マーチンD-40使用。評論かもかなり緊張の様子。でも、わりとスムーズに進み、数回でクリアー。

 午後3時からかちがらすと仲間たちの新年会になっているので、ここまで取ったところで切り上げる。午後2時過ぎ。
他のギターパート、前奏・間奏、裏メロのリードはアレンジを含め来週までの僕の宿題ということに。
新年会は佐世保の繁華街にある「しょうや」という小料理屋。その席で、マイクスタンドを次のレコーディング日までに届けてもらうよう、戸辺ちゃんにお願いする。
 

1月22日(日曜日)

 午前中、残りの演奏、ギターとマンドリンのパートを取る。その前に先週録音した音を聴いてみる。ギターの音色がなんとなくぼんやりしていて実際の音とあまりにも違うので、リーダーが首をかしげる。
音の加工は後で(ミックスダウンの時に)やればいいからと、今後録音の段階ではなるべくエフェクターをかけないように用務員に頼んでおく。
ギターのチューニングは例によってリーダー。先週のやつと音がずれるといけないからと、先週と同じ評論家の音叉を使って、同じ場所(環境)で、しかも同じ姿勢で行うというこだわりよう。何もそこまでしなくても・・・。

 Rec.4: 前奏・間奏のリード(幸松)。マーチンD-40使用。フレーズが短いのでわりと短時間でクリアー。
 Rec.5: ギター、裏メロ(幸松)。マーチンD-40使用。最終的には歌に消されてしまうのだからと、細かいミスは無視して演奏。本当はこんなことではいけないんだけど。
 Rec.6: 間奏とエンディングのマンドリン(リーダー)。予想していたとおり時間がかかる。1時間くらいかかってOK。時間かかっても安易に妥協しないところは僕も見習わなくてはならない。エンディングのメロディーはメトロが入らないのですごくやりにくかったと思う。
 Rec.7: 歌の部分のマンドリンのカッティング(リーダー)。これも何度かやり直し、時間かかるが間奏やエンディングの時のリードほどではない。
 Rec.8: エンディングのギター・アルペジオ(幸松)。マーチンD-40使用。マンドリンのメロディーに合わせるのが一苦労。つくずくメトロのありがたさを実感。ここだけでもマンドリンとギター、2パートを同時録音できるといいんだけど。

 ここで昼食。近所のホカ弁で弁当を調達。買出しは僕と評論家。
待合室の床に新聞を敷いて、その周囲に車座になり弁当を食べる。
念のためにジョージに電話をかけて、レコーディングに参加してもらえないか尋ねてみたところ、1月と2月は仕事が忙しく日曜日は休めないと言って断られる。

 午後はボーカル取り。
ここで[Rec.0]の仮うたはお役ごめんとなる。

 Rec.9: 主旋のボーカル(用務員)。1回でクリアー。この歌は用務員の声にすごく合っていると感じる。
 Rec.10: サビのコーラス・ユニゾン(リーダー)。ほとんど1回でクリアー。本人は得意気。「次は俺がソロのボーカルを取ろうかな!」などと冗談を言っている。
 Rec.11: サビのコーラス・ユニゾン(評論家)。ほとんど1回でクリアー。でも、少し風邪気味なのか、ちょっぴり辛そう。
 Rec.12: サビのコーラス・上野パート(幸松)。数回でクリアー。高い音がレベルオーバーで若干音割れ気味。今後高い音を出す時は少しマイクから離れるようにとリーダーに指示される。
 Rec.13: サビのコーラス・真ん中のパート(幸松)。うまく音が取れずに何度も歌い直す。低い音のハモりは難しい。やはりジョージにSOSを送ってスケットを頼みたい心境。

 最後に、ここまでの出来具合を確認するために簡単なミックスダウンを行う。
ミックスダウンはリーダーと幸松が指示を出し、機械の操作は用務員が。
そして、完成した作品をメンバーがそれぞれ自宅のパソコンで聴けるように、MP3に変換してHP上のメンバー専用ページにアップする。
1日中ヘッドホンをかぶって作業をしていると、さすがに耳が痛くなる。
用務員は「ああ、疲れた!」を連発。
「おいおい、疲れているのは君だけではないぞ!」と言いたいが、大人気ないのでその言葉は飲み込む。
 

1月29日(日曜日)

 これまで録音した分を聴いてみて、いくつか問題が出てきたのでその部分を取り直す。

 Rec.14: [Rec.2]のギターのミュート奏法が音割れしていたので再録(幸松)。ギブソンJ-200使用。
「先週OKを出したのはあくまでもみんなだからね」と用務員が自分のせいではないことを強く主張。それは十分に分かっているつもり。
でも怪我の功名とでも言うべきか、前回の演奏よりも良い出来で、自分としてはけっこう満足。
 Rec.15&Rec.16: [Rec.8]のエンディングのギターのサウンドが心持寂しいと言うので、厚みを出すためにギターを2本使って重ね取りしようということになり再録(幸松。2本ともギブソンJ-200を使用。
「先週そのパートのギターはマーチンを使っていたんじゃなかったっけ?」と、評論家はギブソンに乗り換えられたことに対してやや不満そう。ちなみに、マーチンは評論家、ギブソンはリーダーの所有ギターである(アコギ評論家のギタールーム参照)。

 ここで昼食。今年初めて大宮ストアーに行く。買出しは例によって僕と評論家。パックの寿司、カップラーメン、惣菜、お茶、クッキーなどを調達。
先週と同じく、待合室の床に新聞紙を敷いてその周囲に車座になって食事と団欒。
急須で作るべきティーパックのお茶を、そうとは知らずにめんめんがマグカップで作ってしまったため、濃くなりすぎ大慌て。
苦い苦いと文句を言っている他のメンバーを尻目に、賢い僕は、割り箸でティーカップをつまみあげ、濃さを調整しながら美味しくお茶を飲む。

 午後からは正式にミックスダウンを行う。
全員ヘッドホンをかぶり、それぞれの耳で細かい部分をチェックしていく。
ヘッドホンはみんな密閉指揮なので、お互いなかなか会話が伝わらなくてコミュニケーションを取るのが一苦労。
それでも共同作業で、各トラックに入っている不要なノイズなどのゴミを一つ一つ丁寧に消去して、楽器やボーカルの音質やエフェクタ、音量やパンのバランスを調整して、なんとか完成。
仕上がったのは午後6時30分頃。今回はhpに上げるだけの時間的余裕がなかったので、急いでcdrに焼いて、その1枚をリーダーが管理。
後はリーダーがそのcdを聴いてOKを出せば完成なのだが・・・。

 来週からは新しい曲のレコーディングに入るので、それまでにこの歌を覚えて、ギターコードをhpに上げて欲しいと、リーダーからmdを渡される。ついでにアレンジもしておいてねと。
はたして1週間で間に合うだろうか?いやっ、どんなことがあっても間に合わせないといけない。何せ期限まであまり時間がないのだから。
 
レコーディング日誌 2月号に続く。

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