祖母の思い出


 先日、僕の祖母が90年の生涯を終え、天国に旅立って行きました。
 祖母は、僕の子どもの頃から、自分で作った野菜や花を里まで持って行っては、あっちこっちの家々を行商して歩いて回るのを仕事にしていました。
晩年は、売って回るというよりも、世間話をしながらただで配って回るって感じでしたが、もらってくれた人が喜んでさえくれればそれだけで充分満足していました。
そんな風なので、里の人たち、特に一人暮らしのお年寄りの方々は、祖母がやってくるのを毎日楽しみに待ってくださっていたようです。
 僕は小学1年の時から親元を離れて盲学校の寄宿舎に入っていたので、夏休みなど家に帰っても近所に友達はほとんどいませんでした。
そんな僕をいつも山の畑に連れて行って遊ばせてくれたり、商いに御伴させてくれたりと、祖母は僕のことをずいぶん可愛がってくれました。
そんな祖母が最も好きな場所がありました。
峠になっていて、大昔ここで大名行列が決まって籠を休めていたというその場所は、伊万里湾と周囲の島々、それに麓の町が一望できる、とても眺めの良い所です。
祖母は、その場所にも小さな畑を1枚持っていて、せっせと鍬で耕しては季節のいろんな野菜や花を作っていました。
 そんな風景を思い出しながら5年くらい前に作った歌があります。
老人ホームのコンサートでも何度か歌わせていただいたことがあるのですが、ここでも流してみたいと思います。
音源は数年前にメンバー用に作成したデモ版です。弾き語りの生録だったので、聴きやすくするために若干リバー部をかけました。
超個人的な歌ではありますが、聴いていただければ幸いです。



 ※試聴版はファイルサイズを小さくするために、音質をCDよりもかなり落としています。それでもまだ3939KBの大きさがあります。
 ダイヤルアップ接続の方はデータをダウンロードしてからお聞きになることをお薦めします。(56kモデムの場合、約10分程度かかります。)
 ダウンロードは、インターネットエクスプローラの場合、マウスの右クリック(キーボードではアプリケーションキーもしくはシフトキー+F10キー)で開くアプリケーションメニューの中の「対象をファイルに保存」で行うことができます。
上の曲名リンクのところにフォーカスを当てた状態で実行してください。
 なお、曲の再生にはWindows Media Player, RealPlayer等の再生ソフトが必要になります。お持ちでない方は各自ご用意下さい。
 
祖母の思い出

詞/曲: 幸松成実


鍬を持つ手を休めて 額の汗を拭いながら
話しかける祖母の笑顔 いつも優しかった
世界中のどんな場所より ここが一番好きなんだよ
誇らしげな瞳の先に 伊万里湾が見えた
ゆっくり流れる 時間の中で
草も木も風も みんな歌ってた
僕がまだ幼かった日の 祖母の思い出

畑の畦に腰を下ろして おむすびを頬張りながら
話してくれた祖母の過去に 戦と貧しさがあった
これまで生きたどんな時代より 今が一番幸せなんだよ
誇らしげな瞳の中に 家族の笑顔が見えた
ゆっくり流れる 時間の中で
虫や鳥たちも みんな歌ってた
僕がまだ幼かった日の 祖母の思い出

ゆっくり流れる 時間の中で
草も木も風も みんな歌ってた
僕がまだ幼かった日の 祖母の思い出
 

 
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