エッセイ&歌「蝉」


午前中賑やかに鳴いているのは主にクマゼミとアブラゼミで、両者はまるでライバルどうしででもあるかのように鳴き声を競いあっている。
ところが、昼の12時頃を境にクマゼミの声がピタリト止み、それからしばらくステージ上はアブラゼミの独演会となる。
午後になって陽が少し西に傾き始めると、今度はアブラゼミの声にツクツクボウシの声が混じりだす。そしてその数は次第に増えていき、夕方頃にはアブラゼミよりもツクツクボウシの声の方が目立つようになる。
ヒグラシが鳴き始めるのは、さらにその後の日没頃で、カナカナカナというその旋律には、どことなくもの悲しさを感じてしまう。
こうやって蝉たちの鳴き声に耳を傾けていると、自然界って実におもしろいなと思う。
僕らが1年かけて感じる四季の変化を、蝉たちはわずか1日の中に凝縮して感じ取っているのではないかという気がする。

 最近僕は、掲示板などで蝉のことばかり書いているので、「あいつはよほど虫が好きだんだな」と思われているかもしれない。
しかし実際はその逆で、むしろ苦手なのだ。
だから、お中元に生きた昆虫をプレゼントしてもらっても僕は全然うれしくない。
先日、4歳の娘が「おとうさん、はいダンゴムシ!」と言って僕に小さく丸まったダンゴムシを手渡そうとしたことがあった。その時も僕は、「ありがとう、でもいらないよ!」と、思わず手を引っ込めてしまった。
これがダンゴムシじゃなくて、かつてのアイドル、カブトムシやノコギリクワガタ、ゴマダラカミキリだったにしても、やはり同じように受け取りを拒んだだろう。
その時僕は、「大人になるということはこういうことなのか」と、自分自身に対してある種の淋しさを感じてしまった。
子どもの頃はあんなに虫が好きだったのに。

でも自分のことは棚に上げてでも言わせてもらうと、今の子どもたちにはもっと虫や自然界の生き物たちと触れ合ってほしいと思う。
そして、そこから命の尊さとか、自然の大切さなんかを学び取ってもらって、心優しい、思いやりのある人間になってほしいと願うのである。
2004年8月6日


 以下の『蝉』という歌は、僕が最近新しく作った歌です。
プライベートで作ったので、試聴コーナーではなくてここで紹介させていただきます。
よかったらぜひ聴いてみてください。



 ※試聴版はファイルサイズを小さくするために、音質をCDよりもかなり落としています。それでもまだ2277KBの大きさがあります。
 ダイヤルアップ接続の方はデータをダウンロードしてからお聞きになることをお薦めします。(56kモデムの場合、約10分程度かかります。)
 ダウンロードは、インターネットエクスプローラの場合、マウスの右クリック(キーボードではアプリケーションキーもしくはシフトキー+F10キー)で開くアプリケーションメニューの中の「対象をファイルに保存」で行うことができます。
上の曲名リンクのところにフォーカスを当てた状態で実行してください。
 なお、曲の再生にはWindows Media Player, RealPlayer等の再生ソフトが必要になります。お持ちでない方は各自ご用意下さい。

 

詞/曲: 幸松成実


 朝から賑やかに鳴いている蝉たち
 その命の儚さを誰もが知っている
 長い宇宙の歴史から見れば僕らの命も
 蝉のそれと同じで一瞬の瞬き
 蝉よ力強く歌い続けておくれ
 僕も今この時を大切に生きるから

 鳴くことに命を燃やしている蝉たち
 その懸命な姿に心打たれる
 自然を見つめる余裕なき時代に
 命の尊さを人は何(なに)で知るのだろう
 蝉よ力強く歌い続けておくれ
 僕も今この時を大切に生きるから


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