はじめに



 遠いあの日、当時高校生だった僕たちは、佐賀で行われる「わたぼうしコンサート」に出演させてもらうために、「かちがらす」というフォークソンググループを結成しました。
あれから20年、途中8年のブランクはあったものの、ずっと今日まで音楽活動を続けて来ることが出来ました。これもひとえに皆様方のお陰だと、厚くお礼申し上げます。
 かちがらすはコンサートのたびに、「視覚障害者のフォークソンググループ」というふうに紹介されますが、少し前までは、その肩書きに一抹の抵抗を感じていました。
正直なところ、僕たちとしては音楽をやっていく中で、自分たちが視覚障害者であることを強く意識したことなどなかったからです。
「かちがらすのメンバーは僕らだけではないし、音楽に障害の有る無しなど関係ないだろう」ずっとそう思っていました。
しかし今改めてこの20年間を振り返ってみると、ずいぶん多くの人たちに支えられていたことに気付きます。コンサート会場までの移動、楽器や機材の運搬、会場内での誘導、どれ一つをとっても自分たちだけの力では困難なことばかりです。それをごく自然に、しかも当たり前のことのようにやってくれた周りの友人たち。この人たちに改めて感謝すると共に、僕たちは自分たちの恵まれているこんな環境を誇りに思わないわけにはいきません。
 今はっきり言えることは、僕たちが障害者であるがゆえに、人の優しさ、思いやりといったものに触れる機会が普通よりも若干多かったということです。
かちがらすのオリジナル曲のほとんどはメッセージソングです。
きっとこれらの歌の深い部分には、今まで接してきた仲間たちの心のぬくもりが脈打っているのでしょう。
僕たちの歌をお聞きになって、その辺りを感じ取っていただければ非常にうれしく思います。
(20周年コメントより)


 
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