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2009年「今年1年を振り返って」 (その5) ステージを終えた僕らは、待機室で少し休んでから客席に移動し、子守陽一先生の講演を拝聴した。 講演のテーマは最初にも書いたとおり、「平和の為に私たちにできること」である。 具体的な話の内容はあまり覚えてはいないが、メディアの報道の裏に隠れている真実、そしてそれらを見抜くいくつかの方法、そういったものを事例を挙げながら、我々にも分かるように優しく解いてくださり、とても役に立つ面白い講演だった。 そして、最も驚いたのは、先生のお話の随所に、先程僕らが歌った歌詞の内容や、リーダーのコメントの一部が引用されていたことである。リーダーがうっかり間違えてしまった人の名前さえもきちんと指摘され、正直、聞いていて怖くなってしまった。 「いったい先生の頭の中はどんな構造をしておられるんだろう?」と、僕ら皆すっかり平伏してしまっていた。 講演を聞き終えた僕らは、控え室に戻り、次の行動を起こすべく荷物を片付けた。 午後6時から場所を別の所に移して、今回のイベントを主催した長崎九条の会の打ち上げ会が催されることになっているという。 それに僕ら・かちがらすも忘年会を兼ねて参加させてもらうことになっているのだ。 評論家も、午前中仕事してきて、午後からこの会に合流してくれている。ちょうど”かちがらす”のライブの途中に到着したそうだ。 明日は朝からサンアビリティーで次のライブに向けての練習が入っているので、今夜僕ら佐賀県組は佐世保に泊まることになっている。 6時まではまだ少し時間があるので、その間に宿泊場所になっているホテルに行ってチェックインの手続きを済ませてくることにした。 予約しているのは、ホテルビブロスという、ほとんど聞いたことの無い名前のビジネスホテルである。アルカスから歩いて行ける場所という理由で選んだのだが、行ってみてその建物の古さには驚いた。道理で安いはずである。 人間も建物も重要なのは見かけじゃないので、それはまあよいとして・・・ 僕らは素早くチェックインの手続きを済ませ、打ち上げが行われることになっている場所へと急いだ。 九条の会の打ち上げはとにかく凄かった。「何が?」って。 僕ら・かちがらすのメンバーを入れて30人くらい居たと思うが、参加者全員が一人ずつ順番で平和について、憲法九条について、普天間問題など、今世間で話題になっている事柄について、熱く意見を述べていくのである。 最初は皆控え目でも、お酒が入るにつれ、だんだん白熱していく。僕なんか、その方面に関して人前で意見を述べられる程の知識も材料も持ち合わせていないので、マイクが回ってきた時は正直困ってしまった。 僕らの中でただ一人、評論家だけは普天間基地の移設問題について、何か意見を述べていたようだったが。 そうやって、2時間くらい経っただろうか、皆酔いが回って何が何か分からなくなりかけた頃にウラさんの一声で会はお開きとなった。 僕らは店を出た後で、このまま解散したのではつまらないからと、地球屋に場所を移して”かちがらす”だけの二次会をすることにした。 そう言えば、今年はライブをたくさんしたにも関わらず、一度も飲み会はやっていない。昨年まではよく打ち上げと称して居酒屋に行っていたのに。メンバー集まってお酒を飲むのは今年は今日が初めてだ。 すっかり冷え込んだ師走の夜の佐世保の繁華街をほろ酔い気分で歩きながら、僕はそんなことを考えていた。 12月13日(日) かちがらすコンサートIn吉井 「今度のライブ、久しぶりに山口さんに声をかけてみようと思うんだけどいいかなあ?」 リーダーからそのように尋ねられた時、僕は「やったあ!」と思った。また山口明美さんと一緒にライブができるのだ。 「山口さんと一緒にやるのは果たして何時以来だろう?」と思って過去の日誌を捲ってみると、前回が菫ヶ丘幼児園コンサート(2003年7月13日)となっているから、およそ6年ぶりということになる。 「ええっ、そんなに経っていたんだ!」 ところが、約6年ぶりに会った山口さんは、当時とちっとも変わってなくて、ずっと一緒にやってきたかのような、そんな親しさで僕らの前に現れてくれた。 おまけに、当時使っていた譜面もちゃんと大事に持っていてくれて、僕は思わず手を握りたくなるくらいに感動してしまった。実際はそんなことしなかったけど(笑) 今回のコンサートの練習は、5日のピースフェスティバルの分と平行して同時進行で行った。 したがって、山口さんと練習したのはたったの3回。そんな少ない練習でも、山口さんの場合は、自分のパートをきちんと譜面に起こして、次の練習日までには弾けるようになってきてくれるので、とても助かる。 その上、僕らがキーボードの入らない別の曲を練習している時でも、ヘッドホンをかぶり、ラジカセか何かで音源を聴きながら、黙々と一人練習してくれている。と書くと、一見生真面目な人のようだが、実際はすごくお茶目で楽しい人なのである。 なので、当然練習もすごく楽しい。僕はつい自分の椅子を山口さんのキーボードのすぐ傍に持って行って、そこで睨みをきかせながらキーボードのミスタッチをチェックしている、そういう意地悪なシチュエーションを拵えてこっそり楽しんでいるのである。ごめんなさいね、山口さん。 13日のコンサート当日、メンバーは10時30分頃に会場の吉井町の公民館で落ち合うことになっていた。 僕と評論家が10時12分、MR(松浦鉄道)で吉井駅に到着すると、迎えの人がすでにホームに待っていてくださり、その方の車で公民館に向かった。 佐世保組のリーダーと山口さん、そしてニャンコ姫はもう先に到着していて、控え室になっている和室の座布団の上ですっかり寛いでいた。 もう一人のメンバー戸辺ちゃんは、先週同様、仕事関連の忘年会とやらで遅れてくることになっている。 一応メンバーが揃ったということで、主催者側とかちがらすとの顔合わせを行った。主催は吉井地域福祉推進協議会、後援が佐世保社会福祉協議会だそうである。 なので、スタッフの方も役職の方が多い。一通り自己紹介を済ませて、僕らはそのまま控え室で練習に入った。スケジュールでは、12時頃からステージでのリハが可能になるらしい。 コンサートの会場は、公民館に隣接する吉井町体育館。隣接と言っても、履物を変えないでそのまま中を行き来できるので、もしかすると建物自体は一つなのかもしれない。 この日は、同時に吉井町の駅伝大会も催されていて、その閉会式も体育館で行われるらしい。僕らがリハできるのはそれが終わった後ということになる。 駅伝と言えば、コンサートの依頼を持ってきてくれた吉井の”かちがらす広告党”堤さんも選手として出場されているとのこと。果たしてその結果はいかに・・・。 閉会式が少し予定よりも遅れそうと言うので、僕らはリハの前に昼食を済ませておくことにした。 昼食は主催者側が用意してくださった幕の内弁当である。何処に行ってもそう思うのだが、ご馳走になる弁当は自分で買って食べるそれよりも何故か格段に美味しい。歯の浮くような言い方をさせてもらえるなら、おそらく振舞ってくれる方々のお気持ちが素材の味にプラスアルファーとなって乗っかっているからだろう。 正確な時間は覚えていないが、ステージでのリハは予想どおり少し遅れて始まった。 にも関わらず戸辺ちゃんはまだ来ない。先週間に合うように駆けつけてくれたという実績があるので、僕はさほど心配はしていないが、それでもマイクチェックやコーラスチェックができないのは不安である。 しかたないので、今回はPAスタッフの男性に歌ってもらい、戸部ちゃんの分のマイクチェックを行った。曲は例の「翼をください」だ。 リハの時間はアッという間に過ぎ、午後1時の開場時間となった。楽器はそのままステージに残し、僕らは控え室へと戻った。 戸辺ちゃんがやってきたのはその頃だ。時間に遅れそうだからと、わざわざ佐世保からタクシーで駆けつけたという。もう戸辺ちゃん様様って感じである。ありがとうね、戸辺ちゃん。 開場から開演までの30分間、PA担当の人と細かい打ち合わせをしたり、メンバー間の決め事(曲間のMCやメンバー紹介の場所など)を確認し合ったりして、僕らは出番を待った。 ライブも2週続けてとなると、それほどの強い緊張感はない。しかし、評論家や山口さんは違うだろう。 「失敗してもいいから楽しくやりましょうね!」 山口さんとそう言葉を交わし、僕は皆と一緒にステージに上がった。 ステージで演奏したのは以下の13曲。 1. 昔僕らは海にいた 2. Kindness 3. 平和な社会を!そして明日を!(今年作った僕の新曲) 4. あと1マイル 5. 一本の鉛筆 6. ひまわり咲くふるさと 7. 花 8. 平和と平等をあきらめない 9. 銀色のランナー 10. ふるさとが好きだから 11. 小さな島の片隅から 12. 翼をください アンコール. Goodbye See You Again 主催が地域福祉推進協議会だったということもあって、ちょっと硬い雰囲気のライブになってしまった感があるが、自分たちとしては1年を締めくくるに相応しい引き締まった良いライブができたと思う。 ただ欲を言えば、リーダーのMCにもう少しいつもの冗句を交えた方がよかったかもしれない。 僕も演奏面で何箇所かミスはあったが、それはもう毎度のことなので取り立てて書かないことにする。 僕の場合は、歌詞を間違さえしなければ、それで良しとするしかない。って、たまには自分に甘くなってみるのもいいだろう。 戸辺ちゃんも、リハの声出しを全くしなかったにも関わらず、相変わらず素晴らしいボーカルを聞かせてくれた。 ライブの後、控え室に戻ってくるなり堤さんが「戸辺さんのボーカルいいですねえ!」と絶賛していた。 山口さんのキーボードも評論家のギターも、よく演奏を盛り上げてくれたと思う。 特に、山口さんのキーボードが入ったことで演奏に厚みが増し、そのことによって戸辺ちゃんはとても歌いやすそうだった。 元々戸辺ちゃんはフルバンドのボーカリストである。たまには、フルバンドとはいかないまでも、ピアノやシンセの入った演奏で歌いたいに違いない。 なので、山口さん、そんな戸辺ちゃんの為にもたまにはまた演奏しにきてくださいね。って、戸辺ちゃんに託けて誘ったりして。 (その6)に続く 2009年12月31日 |